練習のコツ

どうやって練習する?

 「せんせい、こんしゅうはね、なんかいもひいたよ」 けなげな小さな生徒さんの言葉ですね。確かに、繰り返し弾くことはとても大切な練習のひとつです。けれど、一週間かけて、何度も弾いたにも関わらず、いつも同じ場所でつまづくままでは、「よい練習」とは言えないのです。
先日、ある生徒さんから相談されたことがあります。

「あのね、音を間違えても、わからないまま弾き続けちゃうことがあるみたい。」 正しくない音を、繰り返し弾いて、「間違えるための練習」をしてしまうケースです。実は私も子供のとき、そんな経験がありました。まだ、一曲が短かくて、通して練習してばかりいたときの話です。私の場合、母も姉も練習に付き添わなかったので、自己流の練習になってしまっていたのでしょう。練習の悪い癖が完全に直ったのは、なんと高校時代、アメリカの寄宿学校で、先生が時々練習している私にレッスン時間外のアドバイスを下さるようになってからでした。いつも見られている、と気づいて初めて、緊張感を持って練習するようになったのです。

そこで私から皆さんへアドバイスできることは、[短い練習をくりかえす]ということです。間違えようがないくらい小さなフレーズやモチーフを、片手ずつ、体が覚えるまでくりかえすことです。通して弾かないと、曲としてまとまって聞こえないので、小さなお子さんにはとても難しい方法です。けれど、間違えた箇所を弾きなおすためにもう一度最初に戻ると、どこでどうして間違えたのか、忘れてしまいやすいのです。レッスンでも、小さなミスがあっても、その場所からすぐにまた始められるようにしましょう。曲の途中のどこから弾いても音を理解している演奏というのは、とても気持ちがいいですよ!